みなさんこんばんは！
昨日、富山県相続診断士会さんからのお声がかりでパネラーをさせていただいてきたお話をさせていただきました。

昨日のブログではあまり詳しく触れなかった「業際」ですが。
ほんの少しだけ。
「士業」というお仕事って、意外とたくさんあるんですよね。
弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士・弁理士・公認会計士・不動産鑑定士・海事代理士・社会保険労務士・測量士・建築士・宅建士・・・
などなど、枚挙に暇がありません。
この士業。 それぞれ、その資格でやれることに制限があります。
例えば、僕が資格を持っている行政書士。
行政書士は、書類作成と許認可のプロ。
とはいえ、裁判所や法務局へ提出する、「裁判関係の書類（例：訴状）」や、「登記関係の書類（例：登記申請書）」は作成できません。これらは、弁護士さんや司法書士さんの領域。
また、毎年みなさんが苦労する、「確定申告書」などは当然、税理士さんの領域。逆に、「Aさんが１００万円をBさんに贈与する」という贈与契約書は、弁護士さんと行政書士の領域。 でも、「Aさんが不動産をBさんに贈与する」という贈与契約書は、司法書士さんもOK。
また、不動産取得税の申告書は、行政書士も作成OK。 そして、建設業の許可申請を代表とした、業の許可申請は、弁護士さん以外はどの士業も不可（これをやっている弁護士さんは見たことがありませんが）。 また、税理士や弁理士さんなど、一部の士業さんは、同時に行政書士になる資格を保有しているのですが、それでも、「行政書士として、行政書士会に登録していないとダメ」です。
こういう、「どこまでが業務領域か」というのが、「業際」の問題。
「自分の資格でどこまでを承っていいのか」は、昨日も書いた通り、「プロとしての境界線」をしっかり自分で勉強して把握しておく必要があります。
が。
お客様には、それはよくわからないことが多いです。
例えば、行政書士と司法書士の違いは、一般の方には基本的には見分けがつかないですよ。
そこで。
お客様がかなり悩んだ様子で相談に来られて、８割方は自分でお手伝いして差し上げられるけれども、後の２割が「業際のあちら側」である、というケース。よくあるのが、
「会社設立業務」を行政書士に依頼して、最後の「登記」までなんとかならないかって相談をされるケース。
これが問題なんです。
お客様のお悩みの８割方を解決して差し上げられているわけですから、お客様のあなたへの信頼は抜群です。 その時に、後の２割も、「なんとか先生にお任せできないだろうか」と言われた時。
これが分かれ道。
確かにそこで、あなたが承った方が、「たらい回し」をするよりもお客様のためにもなるし、物理的には「やってやれないことはない」。
そこで、
「良かれと思って」
そこに手を出すのが、果たして本当に「良いこと」なのか。
自分がお仕事をいただく時には、「ちゃんとしたプロに任せた方が安心ですよ」と言っておきながら。
それは、「危険なこと」の片棒をお客様に担がせることになりはしないか。
目の前の売り上げか。 しっかりとした信頼か。
こうやって、文章で書かれたものを読むと、「そりゃ、信頼でしょう」と判断できる。
でも、目の前のお客様の顔が笑顔になり、頭の中のそろばんがパチパチ言い出すと、判断が狂う。
そうならないように、隣接業種の仲間はしっかり作っておくべきだと思います。
判断が狂いそうになった時。
「あ、これは彼（彼女）の業務領域だな。彼（彼女）なら、もっとこのお客様の力になってくれるな」
って思える仲間がいれば、「あちら側」に足を踏み出すリスクも減っていくものと思います＾＾
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