【『契約書』って、一体なんなんだ？　②】

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富山の不動産屋・行政書士の吉村です。
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【『契約書』って、一体なんなんだ？　②】

昨日は、『契約』ってどういうことなのか、『契約書』ってなんのためにあるのか。そして、『公正証書』のすごさをお伝えしました。
昨日のブログはこちらから　→　【『契約書』って、一体なんなんだ？】
それを踏まえて、僕が最近承ることがある、「公正証書にする必要があるのかないのか？」という点についての僕なりの視点を。
そもそも、「契約書を作成する意味」は、

①契約があった（意思表示の合致があった）ことの証明

②契約内容（どういう条件だったか）の明確化

であるということがわかっていただけたかと思います。
上記をもとに、この契約書を「公正証書」で作るということはどういうことかを考えてみましょう。
公正証書の特徴を、昨日のブログから抜粋してみます。

①証明力が高い

②執行力がある

③安全性が高い

④事実上の強制力

ということでした。
これから結ぶ契約の記録として、「契約書」よりも「公正証書」にする方がいいという判断を下すためには、①〜④のどれかの効果が高い必要性がありますよね。
たとえば、これからあなたが不動産の売買をする予定だった場合。その売買契約書を「公正証書」にする必要がありますか？
一つ一つ検証します。
①に関しては、不動産売買契約というのは、かなり一般的になっている契約で、特殊な条項を特別に盛り込むことがない限りは、必要はないと思います。
②に関してですが、公正証書の執行力が発揮されるのは、金銭消費貸借契約のような金銭債権が絡むときになります。「不動産を引き渡せ」という要求に関しては、やはり裁判を経ないといけません。なので、このポイントはあまり効果はないかな。
③は、不動産売買で仲介業者として不動産業者さんが関与している場合は、契約書の控えを不動産業者さんも所持しています（保管期間等もありますから、絶対ではありませんが）。
④についてですが、不動産の売買に関しては、売主と買主だけではなく、仲介の不動産業者、融資担当の金融機関さん、売主側についても、抵当権抹消のための担当金融機関さんなど、たくさんの関与者がいます。公正証書でなくても、売買契約を締結すると、色々な人が動き出しますから、それだけでも結構なプレッシャーがこの効果の代わりをすることも多いかと思います。
そう考えていくと、不動産売買契約に関しては、公正証書にすることもないかもしれませんね。もちろん、売買する物件の質や金額の多寡、条件の内容によっては、公正証書にしておくことが妥当であることも十分あると思いますが。こういった特性をよく理解した上で、有効に利用していきたいですね。
遺言書なども、公正証書にするべきか、自筆のままでいいか。離婚の協議書などはどうするか。損害賠償に関しての合意書（示談書）なども、公正証書にしておいた方がいいかもしれないな、とか。あ、それと、そもそも、公正証書で契約を結ばないと効果が発生しない、なんていう決まりがある契約もありますからね。
今回の、昨日からのブログがすいった判断の一助となれば幸いです＾＾
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